40歳を過ぎてから友人に誘われて草野球チームに入ったのが今から4年前。プロ野球中継を見る事は好きだったものの、野球の経験はほとんどありませんでした。それでも下手の横好き、生活習慣病予防のためと思い、毎年5月から10月まで月に2~3回ずつの試合に参加してきました。およそ15人いる仲間たちも本格的に硬式野球をやっていたのが1名、少年野球レベルが5人と素人ばかりの弱小チームです。お陰で気後れすることなく和気藹々と連敗街道をひた走っていました。
3年目の昨年、キャプテンのGさんが職場の後輩S君(22歳)をわがチームにスカウトしてきてくれました。彼は高校まで本州の有名校で硬式野球部に所属し、サウスポーのピッチャーで肩を壊して投げられなくなるまではバリバリのエースだったとの事でした。肩を壊しているとの事だったので最初はファーストについていましたが、痛い肩で投げてもほかのピッチャーより球速もコントロールもよかったため2試合目からは先発ピッチャーとして登板し、草野球チーム相手とはいえいきなり完封で公式戦チーム初勝利を挙げてくれました。
そんな彼が僕にピッチャーを勧めてくれたのは体格(185センチ)と肩だけはチーム一強かったのを見込んだためでした。若干のトレーニングを積み試合でも投げさせてもらえるようになった頃、普段の生活やキャッチボール程度では全く痛くないのにブルペンや試合で投げると肩の後ろ側に痛みを感じるようになりました。「そのうち(痛みも)ひくだろう」と考え2週間がたちましたが一向に痛みはひかず、「それじゃ自分で治そう」と職業柄(リハビリ職員)知っている知識を動員して治療を試みましたが、そのまた2週間たっても痛みは変わりませんでした。我慢しながら投げていた僕にS君が「肩痛いんですか?」と声をかけてくれました。これまでの経過と症状を話し、ブルペンで投げるフォームをチェックすると、僕の投げ方で痛みが出る原因とその修正方法をほんのわずかの時間でつきとめて教えてくれました。彼の助言に従って投球練習を再開したところさっきまで痛かったはずの肩が徐々に痛みの無い状態になって行ったのです。
正しい投球動作を理屈では分かっていても実際に自分がするのは難しいですね!
それ以降今まで再び痛みが出る事はありません。
その年の暮れ、S君は札幌での研修を終え埼玉の本社に配属となりチームを離れる事になりました。これまでと同じ素人の横好きチームのままですが、少しずつみんな上達してきています。でも野球を知っているS君のような人がいてくれたらと思う今日この頃です。
少年野球で指導者の存在は重要ですが、草野球のチームにも怪我を防ぐ意味で野球を良く知っている指導者が必要かもしれませんね。