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消化器内科

担当医師

院 長
西 研
消化器内科診療部長
高本 秀二郎

消化器外来について

消化器病は非常にありふれた病気です。しかし、見過ごすことの出来ない、重大な疾患も多くあります。消化器の疾患は多岐に渡ります。口から肛門までの消化管、肝臓、胆嚢を含めた胆管系、膵臓などが主な臓器ですが、最近は胸焼けや呑酸などの症状を訴える患者様が増加しております。胃酸の逆流により食道と胃の接合部に炎症を起こす事が主な原因です。症状からも診断はつくことが多いのですが、その中に癌などの悪性腫瘍も混じっている事がありますので、内視鏡的検査が必要です。胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因として、胃内に感染しているヘリコバクター・ピロリ菌と言うグラム陰性らせん状桿菌が主で有ることがわかっておりますが、最近は胃がんの原因になっていることが明らかとなってきました。そのためこの菌を退治することが、日本人の胃がんを減らすために必要であると、学会でも勧告しております。


治療について

当院では、呼気試験により、簡単に菌の有無を判定する体制をとっており、菌に感染し、しかも胃、十二指腸に炎症をおこしている患者様には除菌治療を行っております。

また、近年増加の一途をたどっているのが大腸癌です。日本では大腸癌の死亡率はここ50年間で10倍に増加しております。検診で便潜血反応陽性の患者様の内視鏡検査件数も増えているため、大腸ポリープの状態で見つかる患者様も多く、放置すれば、癌になる可能性が高いのですが、内視鏡的に切除出来れば、治癒します。そのため、当院では積極的に大腸検査を勧めております。一般に大腸検査は苦痛を伴うと認識されていますが、術者の手技、鎮静などでこれは回避される事が多く、検査を恐れて、みすみす進行癌になってしまうことは、患者様にとっても悲惨なことですので、主治医に相談してください。

また、胃、十二指腸内視鏡検査も苦しくて嫌とおっしゃる患者様がおりますが、当院では苦痛を緩和するため、経鼻内視鏡を以前より導入しており、今後機種のさらなる進歩にあわせて、より、精度の高い検査、治療を行っていきます。

小腸については、以前は悪性腫瘍や炎症などは殆どないと言われていましたが、それはカプセル内視鏡という2cm程度のカプセル型の内視鏡を飲む事で、間違いであることがわかってきました。小腸は検査が難しいため、暗黒の臓器といわれていましたが、このカプセルを苦痛無く飲む事が出来てから、飛躍的に様々な疾患が見つかるようになりました。特に消炎鎮痛剤による小腸潰瘍、びらんからの出血が予想外に多い事がわかってきており、原因不明の腹痛もこの炎症性病変が関与しております。

カプセル内視鏡検査

PillcamSB

カプセル内視鏡

カプセル内視鏡は2000年イスラエルのギブン・イメージング社が開発し科学雑誌Natu肥誌上ではじめて紹介されました。その後ヨーロッパ、アメリカのFDAで認可され、世界各国で使用されています。日本では2003年に治験が始まり2007年10月に保険収載され一般に使用出来るようになりました。主な検査目的は原因不明の消化管出血、小腸腫瘍などです。

カプセルの大きさは26mm×11mmですが、驚くほどスムーズに飲み込むことが出来ます。体にデータレコーダという器械を装着しますが、外出、仕事、食事も通常通り行うことが出来ます。

カプセル内視鏡

カプセルを飲み込んだあと7時間程度で小腸から大腸の入り口まで到達しますので、ここで検査は終了となります。カプセルは数日以内に便と共に排泄されます。

検査はカプセルを飲み込むだけですので通常の内視鏡検査ほどの苦痛はありません。又検査中も行動の制約を受けません。

今回当院では第二世代のカプセルが本年2月に発売されたのを機に消化管に対する積極的な検査対応を目的に平成22年4月から導入しました。


ご相談下さい

そのほか、肝炎についてはインターフェロン療法も行なっており、腹部CTや超音波検査により、癌の早期発見にも努めております。黄疸の原因となる、胆道系の結石や腫瘍、炎症についても今後積極的に対処していきますので、腹部症状が有っても無くても一度は消化器内科を受診してみてください。

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